2012年10月06日(Sat)
■ 竹内洋岳さん、記念報告会
日本人で初めて地球にある8000mの高さのある山、14座を完登した竹内洋岳さんの報告講演会を聞きに行ってきた。
ガッシャーブルムⅡで雪崩にあったときの感情の変化やダウラギリでのパートナー中島さんの存在の大きさが、なまなましく伝わってきた。
ダウラギリでは中島さんは6800mで高山病の症状が出て降りた。(それは、二人で登頂を目指した竹内さんにとっては高度順化の計画ミスで、今回の登頂はその目的においては失敗だったと明言されていた)。
その様子はNHKのグレート・サミットでも放映されていたけど、その撮影に入っていないところで、中島さんは竹内さんに、降りる時に迎えに行きますと約束したそうだ。約束。
竹内さんはGPSをつけて登っていたので、無線連絡のほか、リアルタイムにウェブで登山中の足取りがつかめたのだけれど、登頂する時間も遅く、また夜が来て高所でビバークすることになり、大丈夫なのかやきもきしながらわたしもウェブで動向を見ていた記憶がある。現地にいた人たちは本当に気が気ではなかったかと思う。
今日の講演会では、ふつうだったら引き返す時間でも、サミットプッシュに突っ込んでゆき、ビバークしつつも降りてくることができたのは、中島さんと分かれた時に交わした、迎えに来るという約束があったから、それに支えられたと熱く語られていた。その約束があったから、登頂を果たせたといっても過言ではない感じだった。
下山時、7000mの地点で竹内さんと中島さんが合流する様子は、中島さん撮影の映像(今日まで未公開だったと思う)でも紹介されていたけれど、当事者の撮影で、息づかい、小さなつぶやきまでも拾っていて、竹内さんの姿が見えた時の中島さんの心底安堵した様子が伝わってきた。
感動した。