2012年09月15日(Sat)
■ 『ヒマラヤを駆け抜けた男―山田昇の青春譜』佐瀬稔 著
14座登頂を目指しながらも道半ばマッキンリーで滑落死した登山家、山田昇の伝記。竹内洋岳氏が敬意を表していたので知り、どんな人か興味が湧き読んでみた。山田氏の極限状態で人と心を通わせる登山、もっと読みたいと思った。
2012年09月18日(Tue)
■ 『いつでも山を』田部井淳子著
いつでも山を―田部井淳子の実践エイジング登山
小学館
¥ 1,260
著者の田部井淳子さんは、日本人の女性で初めてエベレスト登頂成功、世界の女性で初めて七大陸最高峰登頂をした、女性のトップクライマーです。
田部井さんについては、ほかの本で読んだときに、あまり好意的ではない意見を目にもしていたのですが、この本を読んだらすっかり田部井さんの山への感性や、女性、母としての感性に励まされました。
登山入門者向けの軽やかな語りかけなのですが、小さなこどもを置いてエベレストへ行った時のこと、名だたる山を登り続ける時に重なったこどもの反抗期、そうしたことを、山かこどもかと選択するのでなく、山もこどももと向き合ってきたこと。
そんな田部井さんご自身の人生を織り交ぜつつ、わたしが今まで読んだ登山本とは違い、エベレストや富士山といった高所登山の魅力はそれとして、里山歩きや関東近郊にある日帰り登山の魅力についても、読者を引き込むように綴られています。
また、女性的な視点での行動食やテント行動の紹介、山でのマナーなど、優しい語り口調で、「これならわたしも山へ行けるかも」と思わせられてしまいました。
第六感を大事にする、身体の老化と向き合う、日頃のストレッチや体操を意識する、何より、困った時の神頼みではなくいつもたくさんのお願いと感謝を祈り、「助けるなら今ですよ!」と自分を開いておく。そんな普通の人にはなかなか書けない生き方のエッセンスがギュッと詰まったよい本でした。