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shinoのときどき日記


2009年11月01日(Sun)

日記を書こうと思います。

twitterのログからの話が多いと思いますが、少し振り返って、過去にさかのぼって日記をつけていこうと思います。日記なので。ブログではないので。よしなしごとをよしなに。

Tags: 近況

礼拝 第二コリント2:5-11

 5 もしある人が悲しみのもとになったとすれば、その人は、私を悲しませたというよりも、ある程度――というのは言い過ぎにならないためですが、――あなたがた全部を悲しませたのです。 6 その人にとっては、すでに多数の人から受けたあの処罰で十分ですから、 7 あなたがたは、むしろ、その人を赦し、慰めてあげなさい。そうしないと、その人はあまりにも深い悲しみに押しつぶされてしまうかもしれません。

礼拝でした。今日のメッセージ箇所は第二コリント二章から。

パウロが、ある教会に記した書簡です。どうもその教会では、何か問題が起こったらしく、つまり、誰かが罪を犯したと。パウロはそのこと自体については深く追求していません。問題を起こした人も具体名は出さず、「ある人」「その人」と代名詞で語っています。

焦点は、その起こってしまった罪そのものよりも、その後のコミュニティの対処法に行っています。パウロは、ある人が罪を犯した結果、そのことが、自分を悲しませたというよりも、コミュニティの人々全体を悲しませたと指摘しています。

また、コミュニティは何らかの処罰をその人に下したのでしょう。一定期間の謹慎か、罰金かわかりませんが。またそうした処罰のほかに、そのコミュニティの多くの人から非難も受けたでしょう。それも処罰です。

パウロは、罪をおかした人については何も触れていません。何も触れていないことが、いかに禁忌を犯した罪だったか、ということを表しています。

だから、そうしたことが起こったあと、どうすればいいのか。パウロは言います。「その人にとっては、すでに多数の人から受けたあの処罰で十分です」そして、「あなたがたは、むしろ、その人を赦し、慰めてあげなさい。そうしないと、その人はあまりにも深い悲しみに押しつぶされてしまうかもしれません。」

二次被害の食い止めには、赦しと慰めが必要です。いつまでも、怒りつづけていたり、処罰に重ねて処罰を要求してはいけませんね。

デボーションメモが40日も続いている!

twitterで、毎日デボーション(聖書日課)のメモを記しています。それをtsuduketer(つづけたー)というアカウント向けにつぶやくと、カレンダー仕立てにしてくれるのです。

10月のshinoのデボーションカレンダーはこちら。正直、人に読ませるほどのものではないのですが、でも、こうして形にすると、ある種の達成感、カタルシスが得られますね。(カタルシスが得られるっていうのはあまり適切ではないかな)。

デボーションは、devotionというタグで行っています。独占タグではないので、twitter&tsuduketerを使ってデボーションのメモをしていこう、という方がいましたら、ぜひお使い下さい。

@tsuduketer devotion コメント

という書式でつぶやくと、tsuduketerのサイトが自動的にコメントを拾ってカレンダーに登録してくれます(このカレンダーはtwitterのユーザ別に作成されます)。便利便利。ありがとうございます!

FireFoxに入れている拡張機能。

前回、ブラウザ(FireFox)の拡張機能に何を入れているか記して、結構、これが、マシンがハングアップしてOS入れなおしとかしたときに便利だったりしたのと、前回書いたのが2年前なので改めて記してみます。

  • Adblock Plus
    • 広告画像などをブロックしてくれます。
  • All-in-One Sidebar
    • FireFoxのサイドバーにコントロールを持ってきます。サイドバーの位置を、右側に移動することができます。
  • AutoPagerize
    • ページを自動スクロールしてくれます。
  • Flashblock
    • Flashをデフォルト設定では非動作にしてくれます。
  • FoxyTunes
    • FireFox上で、iTunesなどのコントロールができます。
  • TwittyTunes
    • FoxyTunesが対応している音楽・動画プレイヤーで流している曲目や今見ているurlをtwitterに投稿できます。
  • Gmail Manager
    • Gmailに自動ログインして新着をチェックしてくれます。複数アカウント対応。
  • Greasemonkey
    • グリモンです。
  • It's All Text!
    • textareaから好みのエディタを起動できます。
  • MakeLink
    • URLやTITLEを好みの書式にクリップボードに貼り付けてくれます。
  • Stylish
    • 自分好みのスタイルシートを任意のサイトに割り振れます。(tumblrのdashboardで画像を非表示にするのに使っています)。
  • Tab Mix Plus
    • FireFoxのタブ機能拡張です。
  • Tombloo
    • post ツールです。

前回よりも、だいぶ数が減りました。

Tags: FireFox

2009年11月02日(Mon)

家族の写真のバックアップ。ウェブアルバムサービス(フォト蔵)を使う。

先日、自宅のマシンが数台、パタパタと壊れました。そのうち一台は、ファイルサーバとして使っていました。HDDがクラッシュしてしまいました。中に置いてあった、ここ数年の家族写真が無くなりました。……。HDDのミラーリングだけで大切なデータのバックアップとってるのは改めて、危険だということが身にしみてわかりました。

もう、時代はWeb2.0です。クラウドコンピューティングです。家族写真のような大切なデータは、PCや自宅サーバのほか、定期的にメディアに焼いたり、ウェブアルバムサービスを使うのがいいのではないかと考えました。

メディアに焼くのは、これはもう月ごとに容量が少なくても、サイクルを決めて焼いていこうかと思います。これは元画像サイズのままにしようと思います。(まだ実行してません)。

ウェブアルバムは、いくつかサービスを見たのですが、容量(月ごとに最大1GBまで登録できる。実質、容量無制限)、プリントサービスの種類が豊富(名刺、スナップ写真から、フォトブックまで)で値段もリーズナブルな点から、フォト蔵に決めました。

アルバムの作成

家族写真のアルバムなので、「公開範囲: 誰にも公開しない」にします。指定の仕方は次のヘルプを参照。

フォト蔵へのアップロード

ウェブアルバムに画像を登録するのは、いくつかやり方があります。元画像が500万画素と大きいため、自動的に画像を縮小しつつ登録する方法として、Picasa+GMailを使ったメール送信機能を使うことにしました。

  • Picasa→[ツール]→[オプション]→[メールアドレス]→「出力オプション」の設定
    • 「メールプログラム」=「Googleアカウント」を指定
    • 「複数の画像を送信する場合、次のサイズに変更する」=「1600ピクセル」を指定

このやり方に行き着く前に、サイトのアップローダや、Picasaのフォト蔵プラグインを試したのですが、画像を縮小する手間が発生したり(すると画像を元サイズと縮小サイズの二重管理が必要になってくる)、いろいろ面倒だったので、使わないことにしました。

フォト蔵に登録する画像のサイズ

(あとで追記)。


2009年11月03日(Tue)

昨日はすごい北風、そして一気に冬がやってきた。

昨晩の北風はすごかったです@横浜。鉄筋の建物が、風で揺らされました。自然の力はこわい。

そして、一気に冬がやってきました。寒いですね。

Tags: 近況

短縮リスト機能

  • http://twitter.com/
    • ログインしていると自分のTLが見える
  • http://twitter.com/<user>/<list>
    • userの作成したlistのTLが見える。
    • 背景はそのuserのもの
    • 投稿欄はない
  • http://twitter.com/#/list/<user>/<list> または http://twitter.com/#list/<user>/<list>
    • userの作成したTLが見える
    • 背景は自分のもの
    • 投稿欄がある
    • →擬似的に自分のTLのように見える
    • Listをfollowするとこのリンクになる
    • Listをfollowしなくても手打ちでURLを打てば見える。
Tags: twitter

twitter関連、読書支援サービスのプチまとめ。

twitterは「いまなにしてる?」を140文字いないでつぶやくサービスです。ライフログ(生活の記録)を残すのに向いています。ライフログのなかでも、読書の記録というのは本の虫たちにとっては欠かせないものではないでしょうか。

twitterに投稿したつぶやきをさまざまに集約して加工してくれる二次サービスがいろいろでてきていますが、その中でも、読書に特化した集約サービスがいくつか目に付いたので、まとめておきます。

twitterで読書記録。読んだ4! http://yonda4.com/

コンセプト

読み終わった本を、一言コメントつきで記録します。

twitter投稿書式
@yonda4 書名 感想
ユーザページ
http://yonda4.com/user/<user>

shinoのユーザページはこちらです。http://yonda4.com/user/freedomcat

読書メモ読書ログ管理ツール mekutter(めくったー)! http://mkt.loopshoot.com/

コンセプト

読んでいる最中の本を、記録します。カレンダー形式に何日にどの本を読んだかなどが可視化されます。読んでいる最中、何度でもつぶやけます。

twitter投稿書式
@mekutter ASIAN
ユーザページ
http://mkt.loopshoot.com/user.pl?user=<user>

サイト開発者loopshootさんのユーザページの例 http://mkt.loopshoot.com/user.pl?user=loopshoot

Twitterで本の名言を共有~Inbook.jp http://inbook.jp/

コンセプト

本に書かれた名言を引用して、共有するのに特化したサービスです。

twitter投稿書式
@inbook_jp <本のタイトル,ページ番号>引用したいセリフ
ユーザページ
http://inbook.jp/<user>

shinoのユーザページはこちらです。http://inbook.jp/freedomcat

Tags: twitter

2009年11月04日(Wed)

evernote

写真系の外部ストレージはフォト蔵を使うことにしたのですが、テキスト系の外部ストレージとして、evernoteというサービスを使うことにしました。

evernoteの良い点は、さまざまなデバイスに対応していることです。ウェブインターフェイスもありますが、WindowsやMacのクライアントアプリ、WindowsMobileやiPhone向けのクライアントアプリが充実していて、PCで、アドエスで、同一リソースを触れるのはとても助かります。

tomblooからevernoteに投稿する

  • ウェブサイトにログインしていること
  • FireFoxにtomblooが入っていること
  • tomblooの拡張に、20_Evernote.jsを入れておくこと
    • WindowsVistaのtombloo拡張scriptのディレクトリ
C:\Users\<USER>\AppData\Roaming\Mozilla\Firefox\Profiles\<PROFILENAME>\tombloo\script

twitterの1日分のログをevernoteに投稿する

  • twtr2srcにtwitter情報を登録する
  • 配信先をevernoteの専用メールアドレスにする

ゴルフ場で、Hello World!を表示するまとめ。

Tags: bookmark

2009年11月09日(Mon)

tDiary用目次対応プラグインを入れてみました。

えろぺおさん作、tDiary用目次対応プラグインを入れてみました。

導入手順

  • 前提条件
    • さくらインターネット(スタンダートプラン)でsshログインしている。
cd $TDIARY/plugin
wget http://elpeo.jp/archive/tdiary_toc2.rb
iconv -f EUC-JP -t UTF-8 < tdiary_toc2.rb > tmp.rb
mv tmp.rb tdiary_toc2.rb
Tags: tDiary

2009年11月12日(Thu)

家庭内で使うFaxをメールで送信したい。

  • 現在の構成
    • MX850(Fax,プリンタ,スキャナ複合機)
      • PCからFaxの送信はできる
      • PCにFaxの受信ができない
    • 電話
      • 子機二台故障中。

追記。要求仕様をかためてみる。

いろいろ考えているうちにこんがらがってきてしまったw twitterでkkdさんに「ないと困る要件は?あったらうれしい要件は?」と尋ねられたので、ちょっとその観点でまとめてみます。

  • ないと困る要件
    • 電話機能(子機2台)
    • 省スペース(置ける場所が狭い)
    • 受信Faxをファイル(PDF,jpegなど)に落とす
      • (今は印刷されるので、ファイルに落とすとしたら、手動でスキャナにもう一度食わせるしかないのだけれど、ここをなるべく自動化したい)
    • PCからFaxを送信(現時点でもできる)
  • あったらうれしい要件
    • Fax受信時、メール通知(ファイル自体は添付されてなくても良い)
    • 受信したFaxが、PCに入っている状態だとよい
    • 受信したFaxを、Webで閲覧できるとよい
    • PCでFaxを受信できない時は、Faxプリンタで印刷しておくとよい

着信のコール数をFAXソフト側を1回とかに設定して、FAX機器のほうを並列でつないでおいて5回とかにしておけば、PCの電源を落としているときなどはFAX機器で受信するということもできるので、夜電源を切る場合はこれでもいいでしょう。その場合当然メールの転送はされません。

機器構成案

ファイル形式が.tifなので、一回、どっかでPDFなど変換かませるといいのかも。この変換についてはあとで考える。


2009年11月15日(Sun)

WinDeskWide:仮想デスクトップツールをWindows7に入れてみた。

通常、ひとつのモニタに対してデスクトップはひとつなのだけれど、仮想デスクトップを入れるとひとつのモニタに対して複数枚のデスクトップを割り振ることができる。今回は、Windows7にWinDeskWideを入れてみた。

Tags: Windows7

2009年11月19日(Thu)

Ustream配信を実験してみた。

USBヘッドセットを買ったので、ここ二、三日、Ustream配信実験をしてみた。してみてわかったこと。

  • デスクトップ配信のなかでも、ウェブサーフィン状況を実況中継したかったのだけれど、指定エリアが小さすぎて、テキストメインだと文字が小さくて、うまく伝わらない。(一日目で挫折)。
  • BGM付き配信、いわゆるかこいいネットラジオをやるには、PCにサウンドミックスというデバイスがないとできないぽい。(マイク音とPC上で流す音楽をミックスさせるため)。わたしの古いマシンはサウンドミックスがあるけれど、新しいマシンはサウンドミックスに対応していない。(三日目で挫折)。
    • そもそもJASRACの手続きや料金支払いの発生から、そんなに積極的に音楽使いたいと思えない現状。

上記は、ちょっと後ろ向きなんですが、前向きな使い方としては、

  • twitterで何か話題が盛り上がって、説明を口頭でしたくなった場合に、さっと、Ustを立ち上げて、お話する。

twitterとインタラクティブにコミュニケーションをするツールとして使えるかなぁ。んー。

あとは、一人Wikiばなとか、事前にネタを十分に練って一人ライトニングトークとか。かな。いずれにしても、なんだか、仕込み重要ですね。

Tags: ustream

2009年11月22日(Sun)

Wikimedia Conference Japan 2009 ~タフであれ~

今日は、Wikipediaを中心としたWikiに関するカンファランスに行ってきました。海外では、Wikipediaユーザを中心としたWikimaniaというイベントがあり、その日本バージョンで、主催はWikipediaユーザのボランティアスタッフ、共催で東大が入るアカデミック&人文&技術が混在したカンファランスでした。

でもって、最初に要約しておくと、今日、一番、教えられたこと、見せつけられたことは「タフであれ!」ということでした。うん。その筋で、一本、わたしから見たWCJ2009についてレポートします。(個々の内容についてはまた後日、整理できたらアップするかも)。あと、このレポートは、セッションのメモや配付資料をもとに書いてはいますが、わたしの認識不足で、理解が間違っているところもあるかも、という点はご了承のうえで、お願いします。

まず、タイムテーブルはこちら。

カンファランスをうたうだけあって、午後は同時並行で6トラックもセッションが繰り広げられ、一体、どういう組み合わせでセッションを見ようか、昼休みまで悩みました。ちょうど、昼ご飯の買い出しにyomoyomoさんとコンビニに出たら、つかもとさんと出会い、「ぼくは技術セッションオンリーで行くから」というので「じゃあ、技術セッションのレポートはつかもとさんにまかせた!」と、それ以外のセッションを聴講しました。

プログラム:KEY-1 - 基調講演1: Helping you build Wikipedia: How the Wikimedia Foundation supports the growth of Wikipedia and our free knowledge projects around the world

基調講演1は、ウィキメディア財団の広報部長のJay Walsh氏によるもの。ウィキメディア財団全体のプロジェクトと各国語の状況を俯瞰したお話でした。英語でのスピーチでしたが、スタッフの方が事前にスライドを和訳したものを資料として配付してくださったり、サブプロジェクタにその和訳スライドが表示されたり、プレゼン資料が今流行のZenスタイルで写真もふんだんに使われてビジュアルに伝わってきて、興味深かったです。(←英語がヒアリングできない、わたしでもなんとか流れに追いつけたように思う。気のせいかもしれないけれど……)。

特に興味深かったのは、各国語のWikipediaの記事を、アクセス数トップ100で、カテゴリごとにまとめたものです。まだ、その資料がネット上にあがっていないので、簡単に説明すると、日本の"pop culture"カテゴリの利用率の異常な高さが際立つものでした。

日本のユーザは80%が"pop culture"カテゴリにアクセスしている。他の国をみても、こんなに"pop culture"ばっかりアクセスしている国はない。表にあげられていた他の国で、日本の次によく"pop culture"を利用しているアメリカ・中国でも、40%。フランス、ドイツ、ロシア、スペインではさらにもっと半分の20%かそれ以下でした。

そして、日本以外の諸外国は"Geography"カテゴリや"Current events"といった他のカテゴリがちゃんと表に出てくるくらいはバランスよく、さまざまな分野でWikipediaが利用されている模様です。

日本語のWikipediaには、"pop culture"の記事しかないのかと、思わず思ってしまうようなグラフでした。(twitterのTLを見ていたら、日本のWikipediaの記事数を見ると、鉄道がもっとも多いのではないかという意見も見られました)。ただ、"pop culture"の定義が十二分にされていなかったので、これだけで日本のネット利用はサブカルオンリー(に近い)と決めつけることはできないのですが、それにしても、ちょっと驚きました。

プログラム:KEY-2 - 基調講演2: 辞書・事典とは何か―その体系性・網羅性・信頼性を求めて―

そのように、基調講演1では、日本のWikipediaの利用の偏りがものすごく強烈に印象づいてしまったのですが、基調講演2では、国立国会図書館館長の長尾真先生から、百科事典はタイトルにあるように、「体系性・網羅性・信頼性」が大切だという話がありました。ある意味、日本Wikipediaユーザに対する挑戦状というか、基調講演1でつまびらかにされた日本のWikipedia利用の偏りが強烈ゆえに、迫ってくるものがありました。

長尾先生からのWikipediaへの課題は次の二点。

  • 網羅性について。Wikipediaに掲載されている用語が、百科事典として全領域にわたり網羅的に存在するかどうか、用語の分野別にクラスタリングを行い、手薄な分野の用語については専門分野の人にボランティアをサジェストするのはどうか。
  • 体系性について。分野内において細かい用語はあるけれど、分野として概観できるような広い概念の単語、見出しレベルの単語もあるとよい。
    • 長尾先生曰く「用語の分野別クラスタリングなどは機械的にできるはず」。

おそらく、良い意味で奮起した方々が多くおられたのではないかと思います。課題を与えられたというだけではなく、長尾先生の講演は、最後に「私の作りたい辞書」というトピックで「仕事を引退したら、趣味でこんな辞書を作りたいんですよ」と、辞書編纂にかける希望を前向きに、えっとですね、失礼ながらご高齢で、お体の線も細くて、どこにそんな大仕事をするエネルギーが?!と思ってしまうのですが、それを超越して、微笑みながら力強く語られる長尾先生のお姿に、「うわっ、自分、三十路だとか、忙しいとか、体力ないし、とか、言ってられない><。」と、自然と思わされてしまいました。

※しかも、懇親会で伺ったところ、長尾先生は今日の講演のために、朝、京都から東京にお越しくださり、講演がおわってすぐ、次の用事のために飛行機でどこかへ参られたとのこと。ものすごいバイタリティー、タフ・ガイです。

プログラム:A-1 - ウィキペディアと「学び」

このセッションはじつを言うと、タイムテーブルを見ただけの段階では、聴講するつもりはなかったのです。同時刻にあったWikileaksの方を聞きたいと思っていたので。が、受付で配布された資料に、登壇者の事前資料や、基調講演直後に各セッションの簡単な紹介にあった、「知」という言葉や「文学部」、「生涯学習」という言葉に、そして、お昼をご一緒したyomoyomoさんの「どうしよう、このセッションもすごく気になる」という言葉に押され!、潜入しました。

結果。どうしよう。すごくやばいくらい良かった。脳みその変な部分、刺激された。

構成は、3人の登壇者による1人30分ずつの発表、その後、モデレータ併せて4名でのディスカッション、最後ちょろっと質疑応答でした。登壇者の3人はいずれも教育に携わっている方で、それぞれ次のようなことをお話されました。

  • 教育の現場にWikipediaを導入した事例紹介(吉川 仁先生)
    • 土木科の大学院生による二泊三日のWikipedia編集合宿の話
  • 人文学の学知と継承(當山日出夫先生)
    • ネットは知の形成を可視化するツールとなり得るのではないか?という思いから、教育現場でWikipediaを学生に利用させる実践・追求を通して、専門知識・教養・百科事典の知識とは何なのか?そもそも「人文学知とは根源的に何なのか?」という問いが残った話
  • 集合知と個人の知を結びつける(三宅なほみ先生)
    • 教育科学・認知科学の現場ではじつは「ひとがいかに学ぶか」「学習過程(プロセス)」はものすごく複雑な作用があって把握しきれてなく、その中でWikipediaを通して学習者コミュニティが作れたら、集合知と個人の知が出会うプロセスが見えるのではないかという予感

特におもしろかったのが、當山先生と三宅先生の考え方の対比です。當山先生は<知>は固定されてこそ継承可能(=教育可能)になるというお考えに対して、三宅先生は<知>は人の数だけ存在し(つまり固定不可?)、まったく同じ<知>はなく、人間同士の建設的相互作用において<知>は深められるというお考えでした。

……。うん。ごめん、まだ、咀嚼しきれてない。三宅先生のお話はすごく興味深くて、今の自分の生活にフィードバックができそうな何かがあって、あぁ、もうちょっとでつかめそうなのに、もどかしい!みたいな。(そして、そのもどかしさの中で、タフであれ!、というような)。

プログラム:A-3 - 紙の百科事典からデジタル百科事典への歩み —— 一出版人からのレポート

元小学館の百科事典編集(&営業)の立場から、その百科事典をデジタル化したもので、どうビジネス展開するかというようなお話を前半されていました。ものすごい苦悩。(後半は席外ししてしまったのでわからないのです)

プログラム:A-4 - 百科事典とコンピュータ文化

A-3セッションで、紙ベースの百科事典のビジネスから、デジタルの百科事典になったときに、ものすごい苦悩があったという話を踏まえての、百科事典とコンピュータ文化の話。そして、Wikipediaの哲学の根底に流れるものが、アメリカのプラグマティズムにあるという話。

  • ブリタニカ百科事典から続いた200年の百科事典の歴史が、1980-1990年代に一度、失われた。
    • 紙の百科事典は、一家に一組という考えから、聖書を模して、分厚い装丁になった
    • 携帯性、保存性(置く場所に困る)という困難から、百科事典は家庭から図書館にあるものと後退した
  • 21世紀に入った2001年にWikipediaが登場し、百科事典が息を吹き返した。
  • Wikipediaの精神は、アメリカのプラグマティズムにある
    • プラグマティズムは鶴見俊輔氏の『アメリカ哲学』から学んだ
    • プラグマティズムは、人間には「絶対」がないことを解く
    • 人間に「絶対」がない(=間違いを犯す存在)のは、当然だというところでとどまるのは、浅はかな考え
    • 人間は「間違える」存在であることを受け止める
    • 人間は間違えるのだから、間違えたら、なおせばよい
    • 「間違え」を犯しつつも、それを良いと思われる方向へ軌道修正する
    • 絶対的に正しいものは、ぽん、と、どこかに置かれているのではなく、
    • 「間違え」た、と、思って、なおそうとする「方向」そのものの中にある
    • 「間違え」に対して、タフであれ。
    • 「わたしたちは、非常に間違えることに対して、繊細だし、臆病だけれども」(!)
ボランティアスタッフのWikipedianの皆様

ボランティアベースでボトムアップで合意形成が難しいなかで、こんな充実したカンファランスの開催にこぎ着けたみなさん、本当にお疲れ様でした。すごいタフネス!脱帽です。

あわせてお読みください。

2009年11月25日(Wed)

twitterの課金システムはいいんじゃないかな。(追記:11/28)

来年1月から、twitterに課金システムが登場するようです。この課金システムは、2パターンあるようです。

  1. ある特定ユーザのつぶやき自体を課金対象にする
  2. あるユーザがリンクした先(コンテンツ)が課金対象になっている

注意するのは、一般ユーザが従来どおりtwitterを利用するには変更はない点です。(つぶやくのに課金されるということはない)。

で。課金というとさまざまな意見が出てくるかと思いますが、わたしはこれはサービスのオプションとして多様性が生まれるのでいいのではないかなぁ、と、思います。

課金というと、利益を得るためという発想をしがちですが、それだけではなく、「課金をするという閾値を設け、意識あるユーザを獲得する」という役割もあります。twitterやインターネットのオープン性は、すべての種類のコミュニティに適用しきれない部分があると常々感じています。そうしたところを補う一種の装置にもなるのかな、と、思いました。

11/28追記。

twitter公式ブログで、twitterの有料アカウントサービスは、ガセ情報だというエントリがありました。

で、つまり、これは「1.ある特定ユーザのつぶやき自体を課金対象にする」というのがガセだと。

「2.あるユーザがリンクした先(コンテンツ)が課金対象になっている」はtwitterに連携させた写真投稿サイトやら動画投稿サイトなら、いくらでも実現できるのですが、あんまりその課金システム自体にはおもしろみがないですね。

12/1追記。

Tags: twitter


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