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shinoのときどき日記


2010年08月25日(Wed)

コンテクストと文脈

コンテクストは、文脈ではない。コンテクストは、テクストの言外に置かれた、テクストの意味を通じさせるための含意または背景だ。(テクストは明言化された言葉、文章を指す)。

コンテクストについては、『開放系言語学』の説明がわかりやすかった。言語人類学では、マリノフスキーがトロブリアンド諸島のフィールドワークで、多くの言語資料を手に入れたが、それを母国のイギリスでどう説明するかを思案したところから、意味を持った文章には、テクスト(言語そのもの)とテクストの言外にある、テクストの意味を説明するための注釈(コンテクスト)が見出される。

わたしが「文脈」と言っていたものは、コンテクストとは異なり、これはむしろ、ナラトロジーや、ナラティブというもののようだ。

パターンランゲージにおいてフォース<制約>が重要なわけ。

パターンランゲージは、利用者主体によって表された、(利用される)知の記述だ。と、仮定する。

パターンランゲージはパターンの集合で、パターンは、ある程度、定型的(テンプレート)となる形式/項目があり、そこに、内容が記述される。

タイトル
●状況
●問題
●フォース1
●フォース2
●解決
●結果

「フォース」は制約とも訳されるが、二種類の異なる方向に働く力が記述され、その異なる力を解決する方法が「解決」に記述される。これは、落語の三題噺の構造にも似ていると言われている。

これは難しい。わたしは問題からフォースを導き出すのがとても苦手だ。

これを解決するわけではないが、今日、つらつらと考えていて、なぜ、パターンランゲージでフォースが重要であり、難しいのか、そのヒントが見えた気がした。

パターンランゲージ自体は形式知なのだが、その内容は暗黙知であることが期待されている。暗黙知は、それそのものを語ることは避けられ、消極的な否定の形式で語られるという性質を持つ。暗黙知のその性質を打ち破り、形式知化するために、強力なフォース<制約>が必要となる。

と、考えたところで、フォースがぽこぽこ思い浮かぶということは一切、ない。


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