2012年10月22日(Mon)
■ 大山山歩き ヤビツ峠-大山-見晴台-クアハウス山小屋-日向薬師バス停
一昨日、こどもらの学校で運動会があり、わたしはぼーっとしていたのだけど、はたっと、今日が代休であることに気がついた。
そこで、先日、大山へ行った時に気になった別ルートに行くことにした。代休といっても、夫は普通に仕事なので、こどもたちとわたしだけだ。(それに夫は山に関してだけは頑なに、今後も決して自分は行かないと言う)。
それで、昨日はバタバタとコンパスを購入したり、野外活動保険に加入したりした。前回は作成しなかった登山計画書も作成した。その計画書を登山口への提出用と夫用に二部印刷、実家の母にはPDFでメール送信した。
今回の目的は、わたしには3つある。
一つ目は前回行った時、山頂で見かけた保育園児たちが登ってきたヤビツ峠からの登山ルートをたどること。保育園児が登って来られるので小学生ならわたしでも引率できるかと思った。
二つ目は前回見そびれた山頂の北側景観を眺めること。丹沢山塊をよく見晴らせるらしい。これから行ってみたい山やルートを考えるのに良いと思った。
三つ目は前回、見晴台でおすすめされた日向薬師へ向かうこと。また日向薬師近辺を調べてみたら、大山を降りたところに入浴施設があるので、丹沢登山ではメジャーな山に登って降りたらすぐお風呂という山行を経験できると思った。
一度は登ったことがあっても、山素人な上、体力、技術不足は目に見えているので、特にこどもの怪我や遭難は心配だった。とった対策は今回は、三つ。
一つ目。大山ではかつて小1の男の子が下山中に滑落し、助けようとしたお父さんが二重遭難で亡くなられた事故があったことを、こどもに率直に話した。山は急な斜面もあって、飛んだり跳ねたり走ったりしたら、あっという間に落ちて怪我をし、助けるのが困難な事態に陥ることを説明した。そして、走らないことと、お母さんが目に入る位置より先に勝手に行かないことを約束してもらった。
少しキツい約束かもしれないけれど、登りの最中に、道のすぐ脇が急峻な斜面だったり、鎖場が出てきたり、浮き石に乗っかってしまった時は、その場で、下りの時に同じような場面だったらどう感じる?もしもがあったらどうなっちゃう?と何度もイメージさせた。そのためか、下山中もむちゃな行動は男の子にしては少なかった。それが正しいかどうかは置いておき…。
もう少し、楽しい感じにもしたかったのだけれど、遭難リスクは少しでも下げたかったので、そこはごめんとしか言いようがない。
けれど、イモトの登山番組のおかげで登山はすごくかっこいいという印象があったり、眺めの良いところから見える雪にすっぽり覆われた富士山の壮大さに感動したり、頂上直下では野生の鹿がゆうゆうと過ごしているのを見かけたりと、楽しいことも多かったようだ。何より、計画していた下山直後のお風呂が魅力的らしく、最初からお風呂に入るために山を行くのだと語っていた。…ずいぶん、渋い趣味の小1だな…。
話がそれたが、安全対策のそのニは飴を数個とチョコレートを入れた小袋を渡し、自分の判断で、好きな時に食べて良いとした。
登山ルートは特に傾斜の激しいところほど、岩がゴツゴツしていたり、滑り止めのためかゴロゴロした石がたくさんあって、頭を使って足の運びを考えつつ、反射的にしていかないと危ない。少しでも集中力を高めるための糖分補給にと、わたしは思ったのだけれど、果たして本人がどう受け止めたかはわからない。下山後、すっかり食べきった袋を手にして、「全部、食べちゃった」とお菓子食べを自由にできた嬉しさと、ふだんは怒られるのにな、という不思議さの混じったような報告をしていた。
3つ目は、こどもに対してではなく、登山計画書を渡した夫と母にお願いしたことなのだけど、もし、下山報告メールが、夕方4時を過ぎてもなかったら、まず、入浴に立ち寄る予定の施設に問い合わせて欲しいとお願いした。
入浴施設は、ウェブで探したところ、氏名住所を書いたクーポンを渡すと割引になるサービスがあった。これは、クーポンというよりも、下山証明の意味も強いと思った。
もし、4時過ぎの時点で、入浴施設をクーポンを使って通過していれば、確実に山から降りたことになるし、そうでなければ山で立ち往生していることになる。
怖いのは夜の山での子連れの立ち往生だ。いつ探しに来るかわからないで、夜がきてしまうのは本当に恐ろしい。そうした時に、あらかじめ確認ポイントを設定して、在宅要員に確認してもらう約束をしておけば、初動が違ってくるように思うし、心強い。
わたしは怖がりなのだ。もし、今後、山に単独で入ることがあるとしても、絶対に救援を行ってくれる在宅要員が居なければできないと思う。完全な孤独行はできない。単独行と孤独行は違うように思う。
そこまで語っておいて、だけど、今日は無事に、母一人、子二人、午後14:10に下山し、15時前には清潔で居心地よい施設で入浴も済ませ、バス停に向かうことができた。もちろん、下山報告メールも送信した。
入浴施設から日向薬師のバス停までは、舗装された道路をゆるやかにくだり、丹誠込めて手入れされた里山の風景を楽しむことができた。
にゃー。