2012年02月04日(Sat)
■ 『初代 竹内洋岳に聞く』塩野米松 著
登山界のハッカーみたいな人だ。
竹内洋岳は他の登山ものにくらべると少し異質で、何が異質なのかと思ったら、道具をすごく肯定してるとこだ。
道具を、人間の機能を拡大するための道具として使ってる。その道具を使うことで、それまで登れなかった難しい場所や、思い描い通りの美しい登山をすることを、前向きに重視している。
靴、靴下、アイゼン、クランボンといっと旧来からの登山道具に言及するにとどまらず、衛星回線を利用したリアルタイムにちかいブログ更新についてもそれを人間拡大のひとつの道具としてとらえ、それで登山が見られるスポーツとしてようやく他のスポーツと並ぶと指摘してるのに、この人はマクルーハンの思想を登山という領域で実践しているのだなぁ、と、感心した。