2010年07月01日(Thu)
■ 『第十回Wikiばな - 知の越境、そして、すばらしきムダ知識へ』と『キミは、エンゲルバートを知っているか』
じつはすでに感想として、ものすごい量のテキストを打っているのだけど、どうにも冷静に語れないので、簡潔に書きます。
わたしは、6/12 土『第十回Wikiばな』、6/28 月『キミは、エンゲルバートを知っているか』を開催しました。どちらも企画に入り、テーマ、講演者などを決めました。
第十回Wikiばなは、内田麻理香さんの『科学との正しいつきあい方』、長神風二さんの『予定不調和』をフィーチャーしたもの。『キミは、エンゲルバートを知っているか』は服部桂さんが翻訳された『パソコン創世「第3の神話」』をフィーチャーしたもの。
一見、つながりがないような『第十回Wikiばな』と『キミは、エンゲルバートを知っているか』、しかし、終わってみたら、表裏一体のような深いつながりのある内容でした。
エンゲルバートは50年も前に、まだパソコンが登場する前、計算機でもない、人間機能の代替物としての機械(人工知能や中央集権的なホストコンピュータ)でもない、人間主体の、人間知性を拡張する機械としてのコンピュータを構想しました。
今、2010年、パソコンは普及し、インターネットはインフラとして整備され、日常的にウェブは使われてます。エンゲルバートが50年前に構想した時点では、まだ未来の想像にしかすぎなかった、人間が主体的にコンピュータを使い、自分自身の問題を解いていく日常が、現実に立ち現れてます。
だからといって、コンピュータを使えば、すぐに自分に関わる複雑な問題を解決できるわけではありません。ウェブを通じて、自分や社会の問題を解決するために、共に考えるための仕組みやリテラシは、まだ成熟の途上にあります。そのとまどいが『第十回Wikiばな』では現れていたと思います。
コンピュータやウェブを、自分の知性を拡張するツールとして使いこなすには、まだまだ試行錯誤が必要です。そして、その過程の、とまどいや不安、希望を、一人ではなく、誰かと、話し合い、考えあうことが必要です。そのような機会として、『第十回Wikiばな』や『キミは、エンゲルバートを知っているか』を開催できて、わたしはよかったです。さまざまな形でご参加くださったみなさま、本当にありがとうございます!