2011年11月13日(Sun)
■ ナルドの香油
今日の礼拝の箇所はおもしろかった。マルコ14:1-9。ナルドの香油というエピソードで有名な箇所。
イエスがベタニヤで、らい病人シモンの家にいて、食卓についておられたとき、ひとりの女が、非常に高価で純粋なナルドの香油が入れてある石膏のつぼを持ってきて、それをこわし、香油をイエスの頭に注ぎかけた。 (14:3)
http://bible.us/Mark14.1.JA1955
ここに書いてある「ナルドの香油が入れてある石膏のつぼ」の値段が300デナリ。当時、一日の労働者の賃金が1デナリで、今の日本だったら日給5000円~1万円とするならば、150万~300万円くらいのもの。
イエスの弟子達は、「こんな高価なものは売って貧しい人に施しをしたらいいのではないか」と怒るのだけれど、イエスは「この女性はできる最高のことをしたのだから、福音とともにこのことはずっと語り伝えられるよ」と言う。
この時のイエスは、裏で祭司たちがイエスを十字架に磔の刑にしようと計画を進行させているところで、この香油を注がれたことはイエスの十字架の死の準備のひとつだったと言われる。
ところで、ここに書いてある、 ・ナルドの香油 ・石膏のつぼ のイメージがさっぱり掴めなくて、(もっと言うと、いきなり入ってきて頭に油を注ぐというのもさっぱりわけがわからない。日本にはない文化だからねー)少し調べてみた。
こういう時は、英語版の聖書を見る。そこでは、石膏のつぼは"an alabaster flask"、ナルドの香油は"spikenard"と書かれていた。
まず、"an alabaster flask"なのだけれど、alabaster…アラバスター?この前、見かけた単語の気がする。思い出した。『赤毛のアンに隠されたシェイクスピア』にでてきてた。
『赤毛のアンに隠されたシェイクスピア』ではアラバスターについてこう紹介している。 「白く半透明でなめらかなアラバスターは、さまざまな英米文学作品に完璧(かんぺき)な美や富を表わすものとして描かれている。」 http://homepage3.nifty.com/office-matsumoto/annote02.htm そうすると、この新約聖書のナルドの香油のエピソードでは、日本語だと残念なことに「石膏」と訳されてなんだか骨壺のようなイメージもあるんだけれど、もっと奥行きのある美や富というイメージがあるのだなぁということがわかった。
また、アラバスターは雪花石膏と訳されるのが一般的らしくて、なんでこの新約聖書だと石膏って訳したんだろう…。ちょっと聖書の日本語訳が残念…。
あと、flaskは英和辞典には、「フラスコ」ってあった。壺よりもフラスコの方がより具体にイメージが沸く。きっとカタチは、呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーんの、あんな感じのものだったに違いない。
次に中身、spikenardを英和辞典で調べる。すると、「カンショウ(甘松)」とある。ネパール・中国産のオミナエシ科の植物らしい。中国だと漢方薬で扱われるらしい。が、ここで探したいのはアロマなので、「甘松 アロマ」でぐぐってみたら、なんと、Amazonで商品がヒットした。
生活の木 C ナルデ エッセンシャルオイル 3ml
生活の木
¥ 1,158
3mlで1249円(Amazon発送価格)。それがイエスの時には150万~300万円!でも、産地が中国・ネパールということは、遠くシルクロードの道を越えてエルサレムへ、このアロマオイルが運ばれたのだろう。どれだけ多くの人手や遠くの道のりを辿ったのかと想像すると、その値段も納得だ。背筋がぞくぞくした。
ところでせっかく調べたのだし、香油ならばその香りも知りたいもの。さきほど、Amazonでポチッとしてみた。漢方では胃痛、腹部膨満、頭痛、ヒステリーなどに用いるそうなので、ぜひ、このアロマの香りで日頃の怒りんぼ母ちゃんをなだめてほしい(←世俗的)。あ、いや、これからクリスマス。クリスマスの飾りのそばでアロマデイフューザを使ってこの香油を炊いたらどうだろう。背筋がぞくぞくする!届くのが楽しみ。