2010年08月14日(Sat)
■ 電子書籍フリマ番外飲み会
電子書籍フリマとは、米光一成氏らが開催している対面形式の電子書籍販売のことで、最初は今年の5/23に行われた文学フリマで実験をし、次に7/17にカフェを貸し切り開催した、同人誌即売会と電子書籍販売をリミックスしたようなユニークなイベントです。
わたしはこれに直接参加したわけではないのですが、電子書籍フリマで『電書フリマへの道』を購入された@takahashimさんが、twitterでこの電書をわたしにお勧めしてくれ、そこに電子書籍フリマ用の販売システムを構築された@ma2さんが著者にお金を渡せる範囲の電書ならば飲み会でも開いて、そこで対面販売して良いよ、という提案をしてくださり、@kdmsnrさんが幹事となって、7名で新宿で電子書籍フリマ番外飲み会が実現しました。
電子書籍の販売は、次のような手順で行われました。(売り子さんは@ma2さんです)*1
- 売り子さんのiPhone端末を購入者の手元にお借りし、販売できる電書リストにチェックを入れる
- 売り子さんにiPhone端末をお返しし、購入者は自分のメールアドレスをお伝えし入力してもらう
- 購入者は売り子さんに電書代金をお支払いする
- 売り子さんは販売ボタン(?)を押す
- 購入者のメールアドレスに「お買い上げありがとうございました」と1通目のメールが届く
- お買い上げメールはレシートのようなもので、購入した電書のリストと代金、そして、これから電書を準備する旨が書かれている
- しばらくすると、購入者のメールアドレスに「電書の準備ができました」と2通目のメールが届く
- 一冊の電子書籍につき、キンドル用PDF、PC用PDF、ePub用、Stanza用、4種類のダウンロードURLが記されている。
- ダウンロードURLは一ヶ月程度で削除されるらしい
- 購入者は自分が読みたい形式の電子書籍をダウンロードし、それぞれのデバイスやリーダーで読む。
1通目と2通目のメールの間では、購入者ひとりひとり用の電子書籍をシステムが作っているそうです。なぜかというと、購入者のメールアドレスを電子書籍のすべてのページに記すことで、不正コピーの抑止効果を考えているそうです。わたしがダウンロードしたPC用PDFの電子書籍にもすべてのページの左下に、自分のメールアドレスが記されていて、これはちょっと普通の本ではない、不思議な感覚でした。(著者でも編集者でもないのに、自分のアドレスが紙面に入っているというのが)
電子書籍フリマで販売される電書の値段設定は100円から300円で、これは対面販売時にお釣りなど端数をなるべく作らない価格設定だそうです。また、今回、わたしは、10点ほど買いました。10点以上だと、一点あたり100円で販売されます。電子書籍フリマでは、このような対面販売形式で、すでに5400冊ほどの電子書籍を販売しているそうです。
あと、電子書籍に関連して、いくつかの話が出ていたのですが、電子書籍時代の著者サインについて。@takahasihmさんが以前、iPadを使って@kdmsnrさんにサインをもらうというのをしてました。電子書籍でも工夫すれば著者サインがもらえること、また、デジタル媒体でサインをもらうのだったら今後、著者がサインを記入する筆跡を再生するような仕掛けがあるとよいのではないかというアイディアや、オンラインでもサイン会を開けるのではないかというアイディアが出てました。著者サインは、たぶん、著者にサインをしてもらうという時間の共有と、著者に自分の名前{○○さんへ」と書いてもらうことが、読者にとっては価値のあることなので、そういう価値を伸ばすような、オンライン時代、電子書籍ならではの著者サイン会の形態を考えるのも、おもしろいですね。
他にも、いろいろな話題で盛り上がり、あっという間に終電時間になりました。みなさん、ありがとうございました。
*1 しかし、この日記を書いた後に冷静に考えてみると、この手順よりも、対面販売のおもしろさは、その本を書いたのがどういう人かどういう経緯でその本を書いたのかというような本に書かれてない本にまつわる話を聞きながら、本を選ぶことにある気がした