2010年01月27日(Wed)
■ デミング博士の新経営システム論
デミング博士の新経営システム論―産業・行政・教育のために
NTT出版
¥ 2,039
本書を手に取るまで
アジャイルという開発手法がプログラミング業界で注目を集めている。この方法論についてはいくつか本がでているらしいのだが、「パターン、Wiki、XP」で、WikiとXPの共通点が解明された。わたしの興味ある分野はWikiなのだが、XPやアジャイルについて学ぶことも、Wikiにとって遠からずということらしい。
そして、オブジェクト倶楽部で1/15にジム・コプリエン氏を招いた講演会が行われた。わたしはそれには出席しなかったのだけれど、ちょうど良い機会だと思い、ジム・コプリエン氏について調べた。(ジム・コプリエン氏はC++やオブジェクト指向のプログラミングのエキスパートで、パターンランゲージにも深く関与している)。
そこで、ひとつの新しい単語と出会った。「リーン」。じつはリーンについてはまだよくわかっていない。ただ、リーンを調べると、それはトヨタ開発方式がもとになった「何か」であることがわかった。さらにトヨタ開発方式はW.E.デミングという人が大きな影響を与えていることがわかった。
そのことについてtwitterでつぶやいていたところ、オブジェクト指向やアジャイルについて造詣の深いkdmsnrさんから一言「デミング重要」というつぶやきがやってきた。
XP、アジャイルという開発工程プロセスに重要ならば、それはもしかしたらWikiのプロセスにも重要なのかもしれない。そう思い、「デミング博士の新経営システム論」を手にとった次第である。
本書の内容
デミング博士は主に統計が専門なのだが、そのアプローチは従来の統計の印象からはほど遠い。人間がいきいきとするための統計の活用方法を徹底して考えている。統計はともすればひとつの目標となり、その目標は人間を束縛し従属させる危険性があるものだが、デミング博士はその危険性を指摘し、その上で、人間がいきいきとした生活を送れるための統計の利用の仕方を提案している。本書はそのような本である。
そして、デミング博士は人間をいきいきと活動させるために、システムという概念を重視している。デミング博士の考えるシステムとは、まず、目的があり、その目的を果たすためにシステムがあり、システムは人間の肢体のようにさまざまなパーツが相互依存しあい構成され、かつそれを理解するためには外部の視点が不可欠であると定義されている。
また、いきいきとした活動は、変動や変革がつきものであり、変動を経て、よりよい方向に向かうには、根源に理論がなければならない。理論があってはじめて方向付けができ、情報は知識として活用される。(p.121)これを、デミング博士は「深淵なる知識のシステム」と名付けている。
そうしたことを理解したうえで、はじめて統計が役に立つ。つまり、理論があり、システムが動く。システムは絶えず変革にさらされる。理論がなければ見直し作業は生まれない。この時、データによる予測が必要である。デミング博士の統計はこの時に活かされる。
本書からwikiへのフィードバック
本書を読んで、wikiへのフィードバックを考えてみた。
よくwikiがうまく活用されないという話題があがる。個人でたてたwikiは閑散とし、朽ちてゆく。そのようになってしまうのは、デミング博士のシステム定義から考えられるのは、そのwikiシステムの目的がはっきりしていないからだろう。wikiを作るときには、目的をもとう。目的を持ったwikiはいきいきとするだろう。
またそのような目的(理論)を持ったwikiは見直し作業が発生する。断片的な情報ではなく、理論に基づいた予測によって見直しを行おう。それにより、wikiはより良い方向へと進化する。
追記
かくたに (2010年01月27日(Wed) 18:25) XP → アジャイル -> リーン → デミング というルートだと、途中に日本語で読める一冊として『リーン開発の本質』があります。 http://www.amazon.co.jp/dp/482228350X/
こちらの本もチェックします。情報ありがとうございます!
■ ねぇ、梅の花が満開で、空には月がかかっているよ。
きっと、あそこから猫が地球をながめているのよ。
■ 生活記録ノート
生活ノート - shinoのときどき日記(2009-05-25)で、スケジュール手帳の使い方を説明したのですが、最近、さらに使い方が定まってきたところがあるので、紹介します。
生活記録ノートの目的
- スケジュール管理
- 家計簿(当座帳)
- メモ
ノートの外観
- 生活ノートは、A5のリングノートを利用。
- 一冊、ノートは90枚
- 使う期間は3ヶ月
スケジュールページ
- 上下項目
- 日曜始まり土曜まで
- 一日4行
- 左項目
- 当日の予定
- こども1の持ち物
- こども2の持ち物
- 母の予定
- 献立
- 家計簿
インデックス
- 週ごとにインデックスをつけます
- インデックスは100均で売っている保護フィルム付タックシールを利用
- インデックスには「○月○日から○月○日」とふる
- インデックスは5枚おきにつけます
- 最初の見開き一ページはスケジュールページです
- 残りの8ページは1日1ページ、その日に購入したもののレシートを貼ります
- レシートのない支出は手書きで書いておきます
家計簿機能
- レシートを該当日のページに貼ります
- 該当日の支出合計、収入合計をスケジュールページの家計簿欄に記します
- 余裕があればお財布の中身の現金あわせをします
家計簿欄
- 一行目は、収入金額(ATMなどからおろしてきた金額)を記します
- 二行目は、支出金額を記します
- 三行目は、その日の最後の財布の所持金を記します
- 四行目は、「前日の所持金+収入金額-支出金額-所持金」の額を書きます。
- ここは「0」が理想ですが、もし、マイナスやプラスがあったら、記憶にない収入や支出があったということです。
- もし、プラマイがでたらそれは「不明金」という扱いにします
家計簿について
家計簿は、婦人之友社の「家計簿2010」で最終的にはまとめます。生活ノートで家計簿を管理するのは「当座帳」の役割です。