2008年07月02日(Wed)
■ ぬりものの本
娘の通う幼稚園で、漆塗りのがっちりしたお弁当箱を持ってきている人がいました。「すてきですねぇ」と声をかけたら、「あのね、漆っていうと腰が引けちゃうけれど、それを日用使いしましょってコンセプトの作家さんがいてね、おもしろいわよ」と教えてもらったのが、赤木明登(あかぎあきと)さんです。
ホームページを見ると、ちょっと軽々しく手が出るようなお値段じゃないのですが、アマゾンのほうで探したら、関係書物が何冊か出ているようなので、次の2冊を借りてみました。
毎日つかう漆のうつわ (とんぼの本)
新潮社
¥ 1,470
最初に読んだのは、『ぬりものとゴハン』のほう。奥様が書かれたエッセイです。27歳、東京で出版編集者をしていた赤木さんが「職人になる!」と宣言して、輪島に移住し、定着していくお話が書かれています。
奥さんの視点からなのですが、「職人になる!」と言い出した旦那さんを、(まさか本当にそんなことになるはずはない)と思いつつも、おもしろたのしく受け止めて、それからどんどん進行してゆく現実を、ほんわか楽しく受け止めている器の大きさに感服です。
わたしがもし、主人が今の職業を変える、夢をつらぬく職業につくなどと言い出したら、おそらく、真っ向から戦ってしまうでしょう。
ちなみに、わたしの友人に、旦那さんが脱サラをして飲食店系の仕事にうつらられた方がいるのですが、それすらよくある話と思いつつも、しかし、現実の友人のことなので、かなり驚いています。それくらい、現実の路線を変えることに臆病なわたしです。
さてさて、本の話に戻ると、二冊目の、『毎日つかう漆のうつわ』。こちらは、赤木明登さんご本人と、フードライターで有名な高橋みどりさんの対談風、知識本です。
「ぬりもの」と「漆器」はどう違うのか。普段使いのうるしの器はどういう風に使えばいいのかなど、how toをおりまぜて記されています。知識欲が満たされる一冊です。
本を読んで、「ぬりもの」が欲しくなりましたが、しかし、まだ……手が届く値段じゃないなぁ。